小説

~恍惚の旅人~

あらすじ

宇津見知哉は、銀行に勤めるサラリーマンだったが、会社組織内の軋轢に嫌気を抱き退社。その後、転職を繰り返すも、自分自身の居場所を見出せず、ある日、通勤途中の電車内でパニック障害になる。すぐに精密検査を受けるも特段の異常なし。他の心療内科で告げられた病名は、自律神経失調症……


それから10年あまりが経過......

精神疾患発症後も、投薬治療を続けながら平凡な会社員生活を続けるが、治療を開始してから10年目のある日、突然のデジャブ現象に襲われる。だが、それはデジャブではなく……過去のある時間にタイムスリップしていた……


医師から処方された複数の精神安定剤のどれかを服用することで、彼をある瞬間、ある一定の時間だけ、過去へ導く。そして彼は己に与えられたその不思議な力をもって、無謀な行動を実践してゆく。そしてその結果、彼が得たものは何だったのか?

世界に平和をもたらすことも、あるいは破滅させることも出来るその力が……

人類の歴史を変えてしまう............